【Q&A】高気密・高断熱の家は、湿度は高くならないの?
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カテゴリー:高性能エコハウス Q&A
A.
湿度が高くて困る季節といえば「夏」、ですね。
高性能住宅はその気密性能の高さゆえ、夏の湿気を外へ逃さない。つまり室内の湿度がどんどん高くなってしまう…。
なるほど、極めて自然な流れだと思います。
しかし実際にはそうはなりません。
なぜなら、「エアコン」と「熱交換型換気扇」を運転しているからです。
夏のエアコンは室温を冷やすだけでなく、室内の水分を取って外へ捨ててくれています。ですので室内の湿度がどんどん上がり続けるということはありません。
とはいえ24時間換気を行っていると、せっかく温度も湿度も下がった快適な空気を捨てて、代わりに熱くて湿気をたっぷり含んだ空気を外から取り入れることになります。
またエアコンが頑張ってくれるので再び温度も湿度も下がりますが、省エネという観点からはちょっと釈然としませんよね。
ここで活躍するのが「熱交換型換気扇」です。
冷えた空気をそのまま外へ捨てるのではなく、外から取り入れた熱い空気を冷やす役割を果たしてもらってから捨てる、という装置です。
どのくらい効果があるのか、計算してみましょう。
いま室温25℃、外気温35℃だとして、交換効率90%の熱交換型換気扇を運転するとします。
外から入ってくる空気は、いったいどのくらいの温度まで下がるのでしょうか。
35-(35-25)✕0.9=26
なんと、室温(25℃)にたった1℃がプラスされた新鮮な空気(26℃)が室内に取り込まれます。
熱交換型換気扇ってスゴイですね!
ところで熱交換型換気扇には「顕熱(けんねつ)交換タイプ」と「全熱交換タイプ」の2種類があります。前者が「温度」のみを交換するのに対して、後者は「温度」に加えて「湿度」まで交換します。
私どもアイビ建築では不快度MAXの京都の夏に合わせて、「全熱交換タイプ」を標準としています。
その理由とは?
高性能住宅はその断熱性・気密性ゆえに、エアコンがよく効きます。熱交換型換気扇を使っているため失われる冷気も少なく、さらによく効いてくれます。
設定温度まで室温が下がると、エアコンはそれを感知して運転を止めます。
ここで顕熱交換タイプの熱交換型換気扇を使用していたらどうなるでしょうか。
エアコンは止まっているけれど、換気扇は動き続けています。
換気扇が室内に放出する空気は熱交換で温度こそ下がっているけれど、湿度は外気と同じままです。
しつこいですが湿度を下げてくれるはずのエアコンは止まっています。
結果、室温は低いけれど湿度の高い室内空間の出来上がり、となります。これって快適と言えるでしょうか。
高い湿度になんとなく不快を感じたあなたはきっと、エアコンの設定温度を下げるでしょう。
エアコンは再び動き出し、湿度を取りながら室温を下げてくれますが、またすぐに設定温度に達して運転を止めます。まだまだ不快なあなたは、さらにエアコンの設定温度を下げて…。
これって冷え性まっしぐらではないでしょうか。
全熱交換タイプなら、温度にくわえて湿度も交換してくれます。
外からの空気にたっぷり含まれた湿度を、室内からの「低湿」な空気に引っ越しさせてから外に捨ててくれるのです。
エアコンが設定温度に達して運転を止めたあとも、換気扇は同様の運転を続けますから、室内の低湿が保たれて快適空間となるわけです。
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